今朝のガルミッシュ・パルテンキルヘンは真っ白なガスに覆われました。
予備日に悪天候の兆しなんて、ガルミッシュのひとたちも普段の行いはいいんですね。
さて、ゆるゆる雑感といこうかと思いましたが冒頭の写真、スイスのララ・グッド19歳、10日のDHトレーニングランのスタートです。
ふだんは笑顔をふりまいて、小柄で可愛らしい彼女ですが、スタート前は気合い入った顔してますし、なんと言っても滑りそのものが闘志にあふれています。
写真から感じでいただけますか?
ちなみに彼女のHPは
(今でも天使みたいですが、子供のころの写真はまさにそれです)。
ララに限らず、トップ女子選手のスタート前の顔、気合いの入れ方は尋常ではありません。ふだんやさしい笑顔をふりまいているのでなおさらそう感じます。それは恐怖の克服だったり、攻めの姿勢の表現なのかもしれませんが、男子選手とは違う必死さを感じさせてくれます。
女子はここまですべてオーストリアが金メダル。しかし、アルペンスキー王国、オーストリアの選手たちも余裕で勝っているわけではありません。必死に滑ってその結果が栄冠を勝ち取ることになっているのだと思います。
わかりやすく日本でたとえれば柔道。金メダル以外はメダルじゃないとまで自ら公言し、そしてそれが許されるのは日本では柔道と野球でしょう。それと同じように「有言」実行を求められるのがオーストリアのアルペンスキーなのです。
もちろん勝てば国中の英雄です。しかし、負けると批判にさらされる。厳しい世界ですが、極東の島国のアルペンスキー好きにはうらやましいことでもあります。
オーストリア国営放送のORFで女子DH、夜の表彰式を見ていました。
さすが、オーストリアの国営放送。表彰式直後にメダリスト3人を特設スタジオに呼んでじっくり30分、インタビューしていました。
それは、表彰式直後の午後7時。
日本でいえばゴールデンタイムにインタビュー放送です。アルペンスキーのオーストリア国内での地位の高さが伺えると同時に、地元ドイツのテレビ局をおしのける力も持っていると言えるでしょう。それを世界選手権の開催中、毎晩のようにやっているのですからほんとに羨ましいです。
昨日書いたギュンター・ヒュアラさんですが、組織のトップとしては率先行動型。
お気付きになった方もいらっしゃると思いますが、彼はヘルメットにゴーグル、サングラス姿です。
数年前からこのスタイルなのですが、以前キッツビュールで、FISの役員だったか地元の役員だったかが低速で転倒して頭を打って危なかったことがあり、それ以来、FISの役員とオーストリアのコーチはヘルメットを被るようになりました。
やり出したことは自ら守って手本を示しています。
加えて、知らない人がいない彼には必要ないと思われる、コース内に入れるアームバンドもしっかりはめていて、自分で自分を特別扱いしないところは好感が持てますし、説得力のある行動で周囲に模範を示しています。
もちろん、雨や雪、ガスでキャンセル濃厚でも朝早くからコースに出て、現場でレース開催の可否を判断しています。
当たり前といえばそうなのですが、このような姿勢がトップとして威厳と説得力を持たせてくれるのだと思います。
どこぞの極東の島国の首相は、先の党首討論で責められ、まばたきを1分間に100回もしてパニック症候群を心配されている体たらくだそうですが、こんな威厳と説得力のある人に首相になってほしいと思うのは私だけでしょうか。
さて、ちょっと「熱く」なったので、ゆるくいきましょ!
昨日のSC、3旗門目で転倒したボディ。ガルミッシュでも人気は抜群ですが、やっぱり彼をどうしても観たい人はスタートにいたほうがよさそうです。(苦笑)
そのボディに「かもーーーん!!」とやっているヒューイこと、Peter Lauinさん、このお姿でスタートに登場。さすがアメリカ人ですね。(なにがさすがなのかはよくわかりませんが笑)
その姿をみたギュンター氏、喜んで雪面硬化剤(塩かもしれません)を彼の素足にすりつけてましたが、ヒューイはどう反応したものかちょっと困ってました(笑)。
男子DHコース脇の雪だるま。溶けちゃったのか、最初からこんななのか定かではありません。やっぱりこういうものは日本人がつくったほうが可愛いものができそうです(笑)。世界選手権のキャラクター、GaとPaといっしょでぶさいくですな。
前述のキューシュのヘルメット、こちらの新聞にも紹介されていました。今回の世界選手権は3モデルあるそうで、左から、戦闘機のガルミッシュ来襲編、パイロットのヘルメットに映るDHコース、そのまわりに「猿から人への進化過程」編、一番右はゴールパフォーマンスのスキーくるくるまわし編です。
で、ネットオークションにかけられ、その収益金が慈善事業やスイススキー界に還元されるそうです。(現在20万円越えてます)
さて、世界選手権が終わると、翌週はバンスコでSCとSLです。
今朝のバンスコのライブカメラを見ると、気温はマイナス0.7℃と高いものの、雪は十分ありそうです。しかし、その翌週、3月5、6日のクラニスカ・ゴラ開催がピンチです。
スロヴェニアのカメラマンによると、現状クラニスカ・ゴラはとても雪が少なく、このままだと開催は無理だろうとのこと。
決定は一週間前なのですが、10日から2週間前には代替地の「内定」が出たりするので、もしそういう情報があったら早めにお知らせします。
私の勝手な考えは、GSをヒンターストウッダー、SLをシュラトミングで代替開催することにならないだろうかということですが、こういうときに真っ先に手をあげるのはライターアルム。シュラトミングのおとなりです。
これだけ温暖で異常気象だと、3月頭のワールドカップとその後の最終戦、レンツァハイデもちょっと心配です。(さすがにノルウェーのクヴィットフェルは大丈夫でしょう)
最後に冒頭、ララ・グッドのゴール写真。スタート前との違い、わかっていただけますよね。