アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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薄桃色の季節

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もう4月、春ですね。

我が家の前の桜並木も満開の花たちで薄桃色、やさしい気持ちにさせてくれます。

この時期は、シーズンの終わりとともに季節の変化を大きく感じるときでもあります。

学生のころ3月終わりの岩岳学生大会に出ていた私は、毎年この時期は「ぼーっと」していたような気がします。ひとつのシーズンが終わり、次になにをするべきかすぐには思いつかず、過ぎ去ったシーズンをただただ回想していたように思います。

日本のアルペンシーンもまだ終わっていませんが、ここからのレースは来季へ向けての準備となるレースであり、今月でシーズンの区切りを迎えるといってもいいと思います。

私は先月18日に帰国して早速、その週末からいろいろなスポーツの撮影仕事に入りました。

今年の手始めはバレーボール。それも「春高」でした。

毎年、春に代々木第一体育館で行われている、春の高校バレー、全国大会。フジサンケイグループの全面バックアップのもと、ジャニーズも盛り上げに一役買うのが恒例になっているようです。

今年は平成ジャンプ(表記はこれでいいのか?)が決勝戦の合間で歌を一曲披露しました。(調べましたらHey! Say! JUMPでした。これってネイティブだとどういう理解になるんでしょうね)

彼らが登場するのは決勝戦の試合の合間、ほんの数分だけでしたが、試合もスタンドで観戦しているため、彼らめあての女子中高生もかなりの数みられました。

私は興味があったので、試合を撮影しながら彼女たちの一団を注目していました。

もちろん、ジャニーズめあてなのですから、全くバレーを見ていない子もいるにはいました。しかし、予想以上にバレーボールに視線を奪われている子たちが多かったのも事実で、同世代の選手の好プレーに拍手と歓声をおくっていました。

もう十分「おっさん」な大人として、集客の方法には疑問はあるものの、これもひとつの方法だなとは思いました。

「ジャニーズファンのなかから一人でも多くのバレーボールファンが獲得できたらいい」

それが大会運営側の願いであり、口悪く言えば都合のいい「いいわけ」でもあり、「そんな集客方法でいいの?」と眉をしかめる大人に対する「じゃあ、他に集客案はあるのかい?」という問いかけでもあるのです。

ただ、平成ジャンプが会場のスタンドに姿を現したとき、ものすごい「黄色い声援」(これって、死語に近いな・・・笑)が、これから決勝だという会場の張りつめた勝負の雰囲気を台無しにしたことはそこにいた誰もが認めるところでしょう。

もし、私が決勝に進んだ高校の監督だったら、「あそこのジャニーズファンをおまえらのプレーで俺たちのファンにしてみせろ!」とハッパをかけた(ちょっとクサいか?)かもしれません。

「今から若いファンを増やして、いずれはVリーグ、全日本の大会まで見にきて欲しい。」

気持ちはわかるが、ファンの「青田買い」を目論む大人たちはどこまでなら「本筋」から離れて許されるものなのか。

それはスポーツ写真を撮る「大人」の私にとっても、考えさせられることであり、日本のスポーツのありかたとメディアの関係性をもう一度見直してみた一週間でした。

 

今年はアルペンスキー界も期待の高校生がその存在を主張し始めました。 

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3月のジュニア世界選手権でのスラローム3位は、その実力が本物であることを証明してみせました。

その石井智也北照高)選手は今春、北海道東海大学に進学。全日本シニアチームへの昇格も期待されています。

先シーズン、ヨーロッパカップで撮って以来、一年ぶりに見た彼の姿は一回り大きくなった印象で、話す内容も子供っぽいところは微塵も感じさせない「頼もしい青年」に成長していました。

来シーズン、ワールドカップの舞台で彼の姿を早く撮りたいと思わせてくれました。

そして「盟主」オーストリーにも新星は現れました。 

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マルセル・ヒルシャー19歳。

ジュニア世界選手権で石井智也選手の横、一番高いところに立っていたのは彼で、今季のヨーロッパカップの総合とSLチャンピオンを獲得、ワールドカップでも1月のアデルボーデン9位、3月のクラニスカ・ゴラ3位、ボルミオ3位という周囲もびっくりの成績を残しました。

ただ、まだカメラを向けられたことが少ないのか気になるようで、インスペクションのときでもファインダー越しに目があいます。

まだニキビ跡が残る顔がこれからどのように「大人の男の顔」になっていくのか楽しみでもあります。

では、また次回。