アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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キルデ、シュトライフも制覇で2年連続ウェンゲン・キッツビュール征服「滑降王」

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アレキサンダー・オーモット・キルデがシュトライフを制し、昨年に続き2年連続でウェンゲンとキッツビュール同年両制覇の「滑降王」となりました。

朝からの降雪は時折大粒になりながら降り止むことはなく、キッツビュールでなければおそらく中止だったろうと思うようなコンディションでしたが、なんとかレースは成立しました。

キルデはこれで今季7勝目、W杯通算20勝目。全てがDHとSGの勝利です。

2位には今月42歳になったヨハン・クラレ。北京オリンピック滑降銀メダリストが昨年に続き再び2位表彰台に上がりました。

一昨年も2位だったクラレ、3年連続、シュトライフで見事なパフォーマンスを見せた不惑ですが、いまだにW杯、世界選手権、オリンピックの勝利がありません。

W杯は今日を含め2位が7回。どこかで勝たしてあげたいと思わざるを得ない大ベテランです。

2回目のトレーニングランでトップタイムだったシプリエン・サラザンはハウスベルグカンテで転倒しネットに突っ込みましたが、しっかり表彰のチーム写真におさまっていますので(左から3人目)、大事ないようで安心しました。

今日の主役はもう一人。「引退ラン」となったベアト・フォイツ、W杯通算出場数「217」のビブでの最後のシュトライフでした。

キッツビュールも粋な計らいでした。

W杯通算16勝、2018,2019,2020,2021と4年連続ダウンヒル種目別チャンピオン、北京五輪滑降金、サンモリッツ世界選手権滑降金メダリストは来月に36歳になる前にW杯のピステを去ります。

ベアトのW杯初勝利は2011年3月11日。

その日は早朝、ノルウェーのクビットフェールで津波にのまれる東北の映像に愕然とし、多くのカメラマン仲間やFISの役員さんにも「お前の家族は大丈夫か?」と心配されたので、鮮烈に記憶に残っています。

最初のFISレース出場は2002年。21年間の選手生活、お疲れ様でした。

3位はアメリカのトラビス・ガノン。W杯通算2勝の34歳は同国のレジェンド、2003年の勝者であるダロン・ラルベスさんと写真におさまってくれました。

(後のORFのテレビ番組では、「彼は僕のアイドル」と表現していました)

場内インタビューでは「世界最高のレースで表彰台に上がれて最高だ」と喜びを語っていました。

さて、明日はSL.。小山陽平37番、相原史郎62番スタートです!