アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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2019-20シーズン終了

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一昨日、昨日と立て続けに女子スウェーデン、オーレ、男子スロベニア、クラニスカ・ゴラの中止が決定。2019-20シーズンはあまりにも唐突に終わりを告げました。

欧州における新型コロナウイルスの蔓延は皆様もご存知のイタリアが最もひどく感染者数12,462人、あまり日本では報道されないスイスも12日現在では感染者800人超、死者6人。

オーストリアは感染者300人超、ノルウェーも700人超。他にはフランス2,284人、ドイツ2,078人、スウェーデン599人、スロベニア89人という状況です。

出典:

Operations Dashboard for ArcGIS

新型コロナウイルス スイスの状況Q&A - SWI swissinfo.ch

2月12日から16日まで予定されていた中国北京郊外ヤンキンでのW-CUP高速系が中止になった頃は、

「シン、ナエバは大丈夫か?気をつけろ」

と心配してくれた仲の良いイタリア人カメラマンも、今やミラノの自宅に「引きこもり中」。

アジアから欧州も半日で移動できてしまうグローバル化された現在、遠い東の禍(わざわい)も、ジワジワと、時にはあっという間に自分の足元にやってくることを痛感しているでしょう。

今回の新型コロナウイルス禍は皮肉にも「世界はひとつ、人類皆きょうだい」だと改めて感じさせています。

冒頭の写真は結果的に今季最後のレースとなったノルウェー、クビットフィエールDH表彰式でのアレキサンダー・オーモット・キルデとノルウェーチームスタッフ。ガブリエルさん撮影です。

今後、破られることはないであろう記録、総合8連覇を成し遂げたマルセル・ヒルシャー引退後のシーズンは、アレキサンダー・オーモット・キルデがその座を射止めました。

ノルウェー選手としては2008-09シーズンのアクセル・ルンド・スビンダル以来となります。

クビットフィエールDH終了時点で、激しく総合王者を争うキルデとアレクシ・パンテュローは54ポイント差。

クラニスカ・ゴラのGSとSLが行われていれば、逆転でジャンクロード・キリー、リュック・アルフォン以来3人目のフランス人総合チャンピオンの可能性が高かった彼は、無念極まれる終焉を迎えました。

また、女子総合はフェデリカ・ブリニョーネ。イタリア人選手では初の総合女王となりました。

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滑降王は3年連続でベアト・フォイツ。DH8戦中2勝、2位3回、3位2回でした。

滑降女王は前回ブログにもありますが、コリーヌ・スッター。SG種目別とともに自身初の二冠です。

男子SGはクビットフィエールのレースが悪天候キャンセルで、スイスのマウロ・カビエッツェルが初の栄冠。

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スイスチームが男女高速系を「完全制覇」しました。

ちなみに1989-90シーズンから30年連続でオーストリアがネイションズカップを独占していましたが、とうとう今季、スイスにそのカップが移ることになりました。

しかし、最終戦コルティナのキャンセルで、当然行われるそのネイションズカップの表彰もなくなってしまいました。

おそらく総合チャンピオン以下、カップを持ってのお披露目の機会はいずれFISからアナウンスがあるでしょう。

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男子GSはヘンリック・クリストッファーセンが初の種目別王者を奪取。今季6戦中優勝1回、2位1回、3位2回でした。

女子は総合と2冠でフェデリカ・ブリニョーネ。彼女自身初です。

そして男子SLもクリストッファーセンが2015-16シーズン以来2度目の種目別チャンピオンとなりました。

レビとシュラトミングで2勝、2位3回、4位2回で9戦中コースアウトは1度だけと安定感がありました。

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女子SLはペトラ・ブルフォバが自身初の女王に。20ポイント差で追っていたミカエラ・シフリンはオーレで戦線復帰することにしていましたが、「最終決戦」の幕は開くことなく、シーズンは終わりを告げました。

お父様の事故による急逝で1月末のバンスコSG優勝以来、欠場を続けていたミカエラ・シフリン、来季のセルデンで元気な姿が見れることを楽しみに待ちたいと思います。

なお、パラレルレースは男女ともに2レースで、それぞれ、ロイック・メイラッドとペトラ・ブルフォバがチャンピオンとなりました。

日本チームの今季はそのパラレルレースでもポイントを獲った安藤麻が孤軍奮闘。

37ポイントで総合81位、SL種目別34位、パラレル種目別28位という成績を残しました。

男子は残念ながら成績なし。

アルペンW杯男子は中止 日本勢45季ぶり無得点 - スポーツ - SANSPO.COM(サンスポ)

だそうです。(共同通信伝)

来季は大いなる奮起を期待します!