www.fis-ski.com軒並みのスポーツイベント中止で「失業中」の週末、のんびりとベッドから抜け出すと、明け方の3:58にFISから最終戦コルティナのキャンセルをアナウンスするメールがきていました。
「これは私たちにとって非常に難しい決断でしたが、最終的には、ワールドカップに関係する選手、チーム全員、そして一般の人々の福祉と健康が私たちの最優先事項でなければなりません」とFIS会長のジャン・フランコ・カスパーは語り、苦渋の決断を下しました。
これにより、男子の今季最後のW-CUPは来週末のスロベニア、クラニスカ・ゴラ、女子はスウェーデンのオーレとなりました。
今日7日と明日8日は男子DHとSGがノルウェーのクビットフィエールで行われますが、その一戦を残してダウンヒルはベアト・フォイツが種目別チャンピオンを決めました。
今季はここまでDH8戦中2勝、2位3回、3位2回という安定ぶりで3年連続の滑降王となりました。写真は勝利したウェンゲン滑降でのベアト・フォイツ。
女子滑降とSGはスイスのコリーヌ・スッターが初の種目別タイトルを獲得。写真はアレッサンドロ撮影のラトウイールでのスッター。
今季はアルテンマルクト・ツァウヘンゼー滑降でW-CUP初勝利。そしてガルミッシュ・パルテンキルヒェンでもSG初勝利を挙げ、初めてづくしのシーズンとなりました。おめでとうございます!
滑降の2位には155ポイント差で平昌オリンピック、スノーボードとの「ダブル金メダリスト」、エスター・レデッカ、3位にフェデリカ・ブリニョーネでした。
6戦のみに終わった女子SGは19ポイント差で2位フェデリカ、3位はオーストリアの二コル・シュミッドホファー。最終戦が行われていれば熾烈な戦いが展開されていたであろう女子高速系の突然の終了は、イタリア、フェデリカ・ブリニョーネにとっては自国開催最終戦のコロナウイルス禍による中止と共にダブルショックでしょう。
しかし彼女は現在、W-CUP総合トップ。
残るはGSとSLですが、お父様の事故による急逝で1月末のバンスコSG優勝以来、欠場を続けていたミカエラ・シフリンが「今季最終戦」となってしまったオーレで復帰します。
153ポイント差で2位のミカエラ、3位のペトラ・ブルフォバで189ポイント差。
フェデリカとしては13日金曜日のナイトGSで総合女王とGS女王のダブルタイトルを決めたいところでしょう。
なお、SLはペトラ・ブルフォバをシフリンが20ポイント差で追い、14日の土曜日に「最終決戦」が待っています。
写真はアレッサンドロ撮影のラトウイールでのフェデリカ・ブリニョーネ。
男子総合トップはアレクシ・パンテュロー。写真は昨日のノルウェー、クビットフィエール滑降トレーニングランでのパンテュロー、今日の滑降には本人曰く7年ぶりの出場となります。(2013年1月キッツビュール滑降33位以来の出場)
昨日のトレーニングランは25位。ほんの数ポイントでも稼ぎたいアレクシ、総合2位のアレキサンダー・オーモット・キルデとは26ポイント、3位のヘンリック・クリストッファーセンとは107ポイント差。
この週末でキルデに差をつけられないためには今日の滑降と明日のSGでの奮起が必要です。
8日、日曜日のSG種目別は現在トップのマウロ・カビエッツェルと3ポイント差のビンセント・キルリヒマイヤー、29ポイント差のキルデ、41ポイント差のマティアス・マイヤー、60ポイント差のケティル・ヤンスルの争いです。
また、GSはクリストッファーセン、パンテュロー、ズブチッチ、クラニエッツの、SLはヘンリック、ノエル、ユールの三つ巴の「最終決戦」が来週末に控えています。
なお、レース数の少ないAC(アルペン複合)はそれぞれフェデリカ・ブリニョーネ、アレクシ・パンテュローに種目別チャンピオンが決まっています。
日本のJsportsではクビットフィエールと女子オーレの放送はありませんが、今週、来週末で今季ワールドカップは終わりますので、お見逃しなく!
また、先月末から予定されていた遠軽、阿寒でのファーイーストカップも中止となり、19日からのロシア、サハリンでの最終戦シリーズもキャンセルとなりました。
代替レースを予定しようにも、北海道の現在の状況では先が見通せず、困難を極めるでしょう。コンチネンタルカップ獲得やポイントアップを狙っていた多くの選手には気の毒と言わざるを得ません。なんとか早期のコロナウイルス蔓延収束を祈ります。