今日のマドンナ・ディ・カンピリオのレースは話題豊富な?レースとなりました。
悪い方の「話題」は日本チーム。
湯浅直樹、石井智也、成田秀将、3人ともにコースアウト。特に湯浅は年内2戦でまったくいいところなしの結果になってしまいました。
ワールドカップスターティングリストを見ると、今日のレースを終えて33位。
湯浅より上位のライヒとカレ・リンドは引退したので実質31位ですが、とうとう30位から漏れてFISポイントで出走順が決まる立場になってしまいました。
次戦は年明け6日のザグレブですが、雪がなく、サンタカテリナにreplaceされることが濃厚。
その前日になってみないとゼッケン番号はわかりませんが、30番前後での出走になることは間違いありません。
テレビで湯浅の滑りをご覧になった方々も感じていらっしゃると思いますが、どこかぎこちなく、リズムに乗る前に失敗してしまうパターンで、心配な状況です。
腰痛はないそうですが、左膝に痛みを抱えており、その痛みがどの程度かは本人にしかわかりません。「まったく問題ない」といつものように彼は言いますが、無理をしていなければいいなと思います。
ただ、お尻に火がついたことは間違いのない事実。ここからの巻き返しに期待します!
悪い話題はもうひとつ。
テレビでご覧になっていた方々も何事だ!と思われたでしょう、2本目29番スタートのマルセル・ヒルシャーが滑走中の背後に撮影用のドローンが落下し粉々に砕け散ったのです。(写真はfacebookより)
マルセルはのちの記者会見でそのときのことを聞かれ、「コース整備の人が転んだか、レーキを落としたか何かしたのかと思った」と背後の気配と異音を感じていたようです。
大会委員責任者もドローン落下について「釈明会見」を急遽、プレスセンターで開きましたが、結論?としては「非常にラッキーだった」ということにつきました。
数年前はウェンゲンのフントショフのジャンプでもドローンは使われていましたが、落下の危険があるとのことで、使用禁止になっていたと聞きました。
これでもう本当にワールドカップでドローンが飛ぶことはなくなるでしょう。
ラッキーだった、それに尽きます。もしヒルシャーに当たっていたら一体どうなっていたのか?考えたくもありませんね。
さて、「良いほうの話題」は圧倒的な滑りをみせてSL開幕2連勝を飾ったヘンリック・クリストッファーセン。(冒頭の写真です)
1本目でヒルシャー以下を1.03秒置き去りにし、そのまま逃げ切り勝利。合計で2位ヒルシャーに1.25秒もの大差をつけてみせました。
記者会見はへンリック、ヒルシャーの順でしたが、ヘンリックの去り際に記者から「メリークリスマス!また来年」と声がかかると、マルセルが「あんまりトレーニングすんなよ!」とジョークを飛ばすほどでした。
さすがの王者ヒルシャーも打つ手なし、手がつけられないといったところではないでしょうか。
そんな選手になってしまうとは昨シーズンからは思いもしませんでした。これでヒルシャーの独壇場ではなくなった今季のワールドカップ戦線は非常に面白くなったと言えるのではないでしょうか。
W-CUPはこうでなくちゃ!という感じですね。
もう一つは3位に入ったオーストリアの新鋭マルコ・シュバーツ。クリストッファーセンより1つ年下の20歳。
ワールドカップ初出場は昨シーズンのレビSLで、SL8戦目の今季第1戦バルディゼールで18位、そしてSLワールドカップ9戦目で表彰台に上がりました。
尻に火がついたのは、湯浅だけではなく、ヒルシャーも然りかもしれませんね。
これで私の年内のワールドカップ撮影は終了。今晩はあまり成績のよろしくなかったフランスチームが日付けを超えても飲んでらっしゃる横で私もビールを呑みながらゆっくりしたいと思います。
チャオ!
最後の写真はマルコ・トラバッティさん撮影です。