アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ヒルシャー、フェンニンガーが勝利し総合Vも獲得 W-CUP最終戦メリベル

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今朝5時30分に起きると窓の外に見えるはずのレースコースはみぞれまじりの雨にかすんでいました。

それでも、男子SL開始間近になると雨もほぼ止み、霧もなんとか10数旗門先まで見える状況になりました。

1本目ラップはステファノ・グロス。クリストッファーセン、ヒルシャーと続き、レッドビブのフェリックス・ノイロイターは1.74秒遅れの14位と出遅れてしまいました。

2本目に強烈な挽回を見せるかと思われたノイロイターでしたが、ゴール時点でそれまでラップのグランジェを抜けずに2位。

それ以降もズルズルと順位が落ち、結局12位で2本目で逆転し勝利したマルセル・ヒルシャーにSLクリスタルグローブを奪われてしまいました。

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写真はラップでグロスを待つヒルシャーの後ろで、ジュリアン・リゼルーに抱擁されるノイロイター。

表彰式では切り替えの早さをみせ、アナウンスの真似事もしてみせましたが、終始、腰を気にするしぐさを見せていました。

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ラニスカ・ゴラといい、最終戦メリベルといい、彼らしくない精彩を欠いた滑りで目前のクリスタルトロフィーを逃してしまったのには、腰痛が原因のひとつなのかもしれません。

悔しさを態度に出さず心の奥底にしまいこんで、フェリックスはもうすでに来季の雪辱を期していることでしょう。

2年連続での最終戦でクリスタルトロフィーを逃した彼の来季に期待したいと思います。

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女子も総合優勝争いが熾烈でしたが、アンナ・フェンニンガーが2本ともにティナ・マゼを上回る「完勝」でGSと共に総合のクリスタルトロフィーも手にしました。

ティナ・マゼは悔しさを隠そうともせず、表彰式では直前まで涙にくれていたような目をしていました。 

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現在、ワールドカップのなかで唯一人、全種目に出場しワールドカップポイントを獲得している選手であるだけに、彼女こそ、総合女王の座がふさわしいのかもしれませんが、プロの勝負は時に非情でもあります。

22ポイント差で、2年連続でアンナ・フェンニンガーが総合女王の座につきました。

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美しき女王、ほんとうに、美しかったです。

 

さて、今回の最終戦メリベルには日本人選手は出場できませんでしたが、湯浅直樹はSL種目別28位、スターティングリストは29位で終えました。(昨季は種目別24位でした)

来季は30番以内のスタートを死守した格好ですが、彼自身、2006年以来、ワールドカップが日本で開催される来季に期するものはあるようです。今から期待しましょう。

女子では長谷川絵美がSL28位を2度、GS23位を1度、記録し、世界選手権でもSL18位、GS28位の成績でした。

FISポイントも日本のレースでミニマム6点を獲得しているので、来季も今季と同じように30番台前半でのスタートを切れるでしょう。

2人とも怪我を抱えながら、よく辛抱しよく粘り、あきらめることなく全力を尽くしてがんばったと思います。

それは当たり前のことかもしれませんが、ワールドカップの会場で彼らのそばで彼らをファインダー越しに見せてもらった者としては、賞賛以外に送る言葉はありません。

また来季の日本人選手の活躍に期待して、日本人選手のいないメリベルをあとにしたいと思います。

これから、今季もいっしょに撮影チームとして活動したペンタフォトのアルマンド、Giovaniとミラノに戻ります!

それではまた「雑感」で。

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