アデルボーデンは昨日、いや、一昨日から大雪が降り、今日も小雪が舞い続けました。それでもコースのところどころは、氷が露出し、硬いところや掘れたところがコース内で混在する難しいコンディションとなりました。
一昨日の勝者、マルセル・ヒルシャーが連勝、GSはW-CUP通算4勝目をあげました。冒頭の写真はアレッサンドロ・トラパッティさん撮影です。
これで今日、コースアウトしたスヴィンダルに160ポイント以上をつけて依然総合トップです。明日のSLでも高ポイントが予想されるだけに、今月は22歳の「スキー大国のニューエース」が独走するかもしれません。
3位にはアルタバディアで第一シード外から優勝したスペシャリストのブラルドーネ、
そして、ベンヤミン・ライヒが表彰台に戻ってきました。
こちらもアレの撮影です。
昨年2月、ガルミッシュ世界選手権前のヒンターストウッダーSG2位以来です。技術系だと昨シーズン12月バルディゼールの2位以来となり、世界選手権のチーム戦で靭帯断裂のケガを負ってから1年たたないうちに、見事なカムバックと言えるでしょう。
そのライヒ、1本目のインスペクションで2旗門目の少し上で開始時間を待っていたら、「ベニー、ベニー」とFIS現場のドン、ギュンター・フィアラさんに声をかけられました。
なごやかに雑談かなと思ったら、どうやら、もうちょっと上で待てと注意されたようで、私と目が合ったベニーは「おー、怖!」とでも言うように「まいった」と顔で私に訴えてくれました。(右端がギュンター氏です)
ほんのちょっとだけコース内の下のほうで待っていただけなのに、ギュンターさんはたとえライヒでも厳しく注意したのでした。
まー、昨シーズンのブログにも書きましたが、彼は終始一貫しているので、多少厳しくても誰も文句のないところだと思います。
なにしろ、ベニーの後から来たスヴィンダルやキューシュにも、インスペクション開始時間まで俺より下にいっちゃだめと雪面に線をひいて注意してましたから。笑
優勝のヒルシャーはいつもインスペクションは最後。こうやってコースに人がいなくなるのをじっと待っています。
オーストリアの大先輩、ヘルマン・マイヤーをまねているとは思いませんが、これが彼のスタイル。まだヘルマンほどのオーラは感じませんが、今季絶好調なだけに、近いうちにスーパースターのそれを放ち始めるかもしれませんね。
他に今日、気になった選手は1本目の後半までラップタイムだった、ドイツのフリッツ・ドファー。今季はSLとともに好調です。
次のGSは来月半ばのバンスコになってしまうので、今日はゴールしておきたいところでした。次戦は注目だと思います。
そして悔しい思いをしたのは、グランジェも同じでしょう。こちらも途中までラップタイムながらコース後半でコースアウト。今季は彼にしてはSLが振るわないだけに、どこで浮上のきっかけをつかめるかも注目だと思います。
さて、明日はGSコースの下部を使ってのSLです。
今日、2回コースを横滑りした感じでは後半のほうが氷の部分が多かったので、明日はいいコンディションでレースが行われると思います。
湯浅と明に日本から応援、よろしくお願いします!日本時間、18時30分スタートです!