アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ウェンゲン雑感

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日曜の早朝、ラウターブルネンからウェンゲンに向かう登山電車に乗りました。鼻をつくアルコールのにおいと電車内に散らかった多くのゴミが前夜の喧噪を物語っていました。係員はゴミ掃除。宴のあとの常なのでしょう。

ウェンゲンは今冬豊富な積雪のヨーロッパ他所にくらべかなり雪は少なく、初日コースにあがったときは意外な感じがしました。しかし、それをあまり感じさせないくらい、コースつくりは素晴らしかったし、レースのスタートからウェンゲンの駅まで、途切れることなくスキーで降りていけるくらいは雪があったので不便を感じることはありませんでした。

そのウェンゲンのDHコースで最も氷が露出し、我々カメラマンにとって危険なのは実は緩斜面です。フントショフのジャンプのあと、ミンチカンテの右90度のターンを終えると、幅の狭い廊下の90度ターンを2度こなし、登山電車のトンネルをくぐりしばらく緩斜面のクローチングが続くあたり、ここが一番固いのです。

数年前は緩斜面だからと気をぬいて行き、インスペクション中の選手に後ろからぶつかりそうになってあわてて必死にスキー操作をしようとしたことを覚えています。

例年ツルツルなので今年はその箇所を通らずに迂回しました。緩斜面だからといってあなどってはならないのがウェンゲンのDHコースなのです。

TOKOやホルメンコールのウエアを来たサービスマンも毎朝、雪温計を手にうろうろしています。4,480mにもおよぶワールドカップ最長コース、ワックスをあわせるのはやはり緩斜面なのでしょうか。氷のような雪に適合したワックスはどんなものか、興味のあるところです。

さて、文章が長くなってきたのでここらで写真中心のウェンゲン雑感といきましょう。 

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はじめに今年のフントショフジャンプ。最も「飛型」が美しかったのは(もちろん私の勝手な主観です)ジュリアン・リゼルー。このかた、かなり小柄ですがSLは第1シード。フランスカメラマンによると、ほんとにナイスガイで人間的に尊敬できるそうです。 

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お次は「最長不倒」、というか正確に表現すると「上空最高点到達ジャンプ」、アメリカのアンドリュー。 このかた、おそらくわざと踏み切ってます。というか、そうしないとジャンプを飛べないのかもしれません。

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すごい顔をしているのはハンス・オルソン。このかた、ここで2回撮ったのですが2回ともこんな顔をしてくれました。左のスヴィンダルも「Vサイン」。この写真だけ見ると日本の草大会みたいです。

そして最後はこのかた、すいません、名前が難しくてそのまま表記で、Zrncic-Dim Natko(クロアチア)。SLで最後の出走72番から1本目20位に入った「まくり王」です。実は1本目もしっかり彼を撮っていました。

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SCは第1シードに入っているということもありますが、本人に頼まれて写真を送ることになっていたのです。

選手によっては気さくに「今撮ったやつ、送ってくれる?」と、メールアドレスを教えてくれることがあります。今度会ったときにはしっかり名前の読み方聞いておきます!