毎年のことだが、私は3月の最終戦を終えて帰国し、桜が蕾みをふくらませるようになると様々なスポーツの撮影に日本各地を訪れる。
そのなかでも多いのは高校生の取材である。
野球、サッカー、ラグビー、テニス、陸上・・・。
特にこの時期は真っ黒に日焼けした青年たちを撮ることが多い。
さすがに東京近辺の学校は手狭なグラウンドが多いが、地方へ行けば行くほど、グランドは広く、大きくなる。
さんさんと照りつける太陽のもと、だだっぴろいグラウンドのはるか向こうから、誰だかわからないおっさんに「ちわーす!」と大声で挨拶されると、こちらも丁寧に頭を下げなきゃという気にさせられる。
年を経るにつれ、いや、歳を経るにつれ、だんだんと世代ギャップを感じてはいるが、「運動クラブに所属する子」(言い方古い?)は我々の頃とそれほど雰囲気は変わらない感じがしているのは、私がまだ、気持ちだけは若いつもりでいるからだろうか。
ただ、最近特に感じるようになったのは、そのような高校生たちが発散する「力強い生命力」である。
それは残念ながら大学生や社会人の取材では感じることができない類いのものである。なぜだろう?
まだ自分の将来に多くの希望を持ち、また自分は多くの可能性を秘めていると無邪気に考えられる最後の世代だからだろうか。
ワールドカップの撮影が私にとって「年中行事」になってから、国内のインターハイなどの取材には行く機会がないが、アルペンスキーにも「力強い生命力」を感じさせてくれる高校生は必ずいるはず。
来るシーズンは「未来のニューヒーロー探し」をしてみたいなと思っています。