オーラとは発するものなのか、感じるものなのか。
ワールドカップの舞台で最も存在感のある選手といえば、このひとをおいて他にはいない。
今季はとうとう1勝もできなかった。最高位はヒンターストッダーGSの3位である。
しかし、コース上で、スタートエリアで、表彰式で、存在感は他を圧倒している。
オーラというものが存在するならば、彼は間違いなく強烈に発していることだろう。
常に一番最後に現れる彼のインスペクションは、見るものを荘厳な世界に誘うと言っても決して大げさではない。
まるでコースそのものを飲み込んでしまうかのように、じっとイメージしたラインをみつめるその姿は、芸術品と言ってもいいかもしれない。
そんなスーパースターに似合う車はやはりBMW。
この車にインスペクション用のスーパーGのスキーを中積みにして彼はやって来る。
言葉にはできないオーラを発して彼はBMWから降り立つ。
いつまでも、オーラを発し続けて欲しい。
ヘルマン・マイヤー、来季の「復活」を期待したい。