アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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イビッツァ総合争い一人旅 WC キッツビュールSG

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イビッツァ・コステリッチの独走が始まりました。

今日のSGで彼がどれぐらいの順位に食い込めるかで、今後の総合優勝争いが見えてくると思っていましたが、なんと3番スタートで優勝。食い下がる3位スヴィンダルとの差をまた広げました。

コンビネーションもかかっている明日のDHはある程度安全に、計算したレース運びを考えてくるかもしれません。

世界選手権前の高速系レースはシャモニーとヒンターストッダー。

まだまだスヴィンダルにもチャンスはありますが、選手権後はバンスコSCとクヴィットフェル、そして最終戦レンツァハイデとなるので、そろそろ悠長なことは言っていられません。

スヴィンダルの場合、失礼ながらSLでの得点が望めないだけに、高速系レースでは最低でもイビッツァを上回っておきたいところです。

現状、悲願の総合優勝へ向け、イビッツァの視界良好といったところでしょう。まだ気が早いですが、兄妹での総合優勝となると、ワールドカップ初ではないかと思います。

今日はインスペクションと滑りの撮影が同じ旗門でした。

つまり、選手たちのインスペクションしているラインを見て、「この辺に来るかな」とカメラを構えていたのですが、インスペクション通りのラインを滑ってきたのではないかと思われるのはスヴィンダルのみ。

イビッツァやキューシュも大きくラインが膨らんで入ってきました。(冒頭の写真)

おそらく、インスペクションで思った以上にスピードが出ているのでしょう。

私は学生のころ、インスペクションで理想のラインばかりじゃなくて、掘れていたり落とされて通るラインもインスペクションしろとよく言われたものです。(レベルは天と地ほど差がある話で申し訳ありません)

ワールドカップ選手が理想のラインに入ってこれないほどのコース状況であり、難易度の高い状況であるのだということを撮影しながら考えてしまいました。

「ここはすげーむずかしーなー」とフランスのテシエールに大きな声で話かけて、一番最後まで何度も登りかえしてインスペクションしていたインナーフォッファーでさえ、大きくラインが膨らんで飛ばされて入ってきました。

滑り出したら、攻めることしか考えなくなるのかもしれませんね。

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写真はそのインナーフォッファー。

まあ、逆に言えばそうでもなければ、ワールドカップのSGなど滑れないのかもしれません。

アルペンスキーはほんとに奥が深いです。

今日もゴール張り付きのジオと写真交換する約束だったので、最後の選手まで撮ってゆっくり「下山」。

昨年も書きましたが、ここキッツビュールはゴールエリア周りに観客が多すぎて、表彰式に間に合うように降りて行くのが一苦労なのです。

ゆっくり降りたお陰で、ほんの十数メートルだけですが、SLのコースを横滑りできました。今日は急に冷え込んできたこともあり、コースの硬さは例年通り。ネット際に少し軟らかい雪がかぶさっているだけで、カチカチです。このままの状態で日曜のSLを迎えてほしいなと思いました。

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ハンス・グルッガーの状態は情報が入りましたらまたお知らせいたします。