アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ゼルデン雑感 その1

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プレスセンターで友人カメラマンたちに,

「また次の会場で!道中気をつけて」と挨拶を交わして駐車場に向かうと、早朝に停めた車の屋根には30cmほどの積雪がありました。

一台だけぽっこり取り残された私の車のまわりにも新雪がありましたが、スノータイヤを履いたFFのレンタカーはすんなり脱出。

小粒の降雪も止む気配はなかったものの、ゼルデンの町まで20分ほどの急な下山道も、ゆっくり行けば大丈夫だろうと思って慎重にアクセルを踏み出しました。

しかし、30mも進まないうちに警官に止められ、

「チェーンをもっていない車は待機」と駐車場に逆戻りさせられてしまいました。

「えーーー?参った。いつになったら下ろしてくれるの?」

「30分か1時間かわからん」と。

「あちゃーーーー!」

チェーンを持っていない車が15台ほどゴール下の駐車場で列をつくりました。

待つこと30分ほど。

 除雪ショベル車が通過直後はつるつるだからと、慎重な警官の対応で不安な時間を過ごしたものの、待機解除後は、チェーンなし車が連なって下山開始。

それが冒頭の写真です。

結局、行ってみればなんのことはない、ご覧のように道の雪などたいしたことなく、スリップなど一度もしませんでした。

でも、山から町までの道はこれ一本。ちょっとした接触事故が大渋滞や多重事故の原因になるので、警官も慎重だったのだと思います。

レンタカー屋でチェーンを借りた年もあるのですが、今年は借りていませんでした。これで来年からはいつものスノータイヤに加えチェーンも必携になりました笑。

山をなめてはいけませんね。

でも、10月下旬としてはここ数年では見たことのない降雪で、月曜の帰路、ミュンヘン空港周辺までも道路の片隅に雪が残っていました。

ここ近年ではかなり早い時期の恵みの雪となりました。

行きは高速道路わきの紅葉を眺めながらでしたが、帰りはその紅葉に純白な雪がパウダーのごとく散りばめられ、クリスマスツリーの並木道のようでした。

さて、レースの雑感を。

まずはなんと言っても2位とのタイム差を2秒75もつけ勝利したテッド・リゲティ

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三角点さんにもコメントいただきましたが、ワールドカップの記録は1979年のインゲマル・ステンマルクが2位につけた4秒06。

翌朝の地元新聞によると、1980年、コルティナで2秒61の差をつけたのもステンマルクで、それを今回は上回ったとのこと。

つまり、1981年以降の記録としては、テッドの2秒75は燦然と輝く記録だということです。

今回の圧倒的なタイム差は、こうやって過去の記録を掘り起こすことにもなり、いかにステンマルクが圧倒的な強さを誇った選手だったかということを再認識させてくれますね。

 

タイムの話題としは、もうひとつ。

 昨年もテッドが勝っており連覇だということは前述しましたが、昨年の優勝タイムは2本合計で2分22秒00。今年は2分36秒02。

やはり、GSのスキー長が185cm以上から195cm以上、回転半径も27mから35mに規制変更された影響が如実にあらわれています。

昨年と今年のテッドのタイム差だけを見ても、1本目で10秒、2本目で4秒ほど遅くなっています。

もちろん、ポールセットの違いはあるのですが、FISが意図したスピードをおさえる目的は見事に成功しているといえます。これが即、ケガの防止にもつながるとすれば、ひとつの効果的な措置だと言えると思います。

次回のGSはビーバークリーク。そこでもテッドの滑りとともに、昨年とのタイム差も注目です。

ちなみにSLは規制変更はありませんので、ご安心ください。

そのSLの開幕戦は11月10日と11日。男女ともに行われます。

女子は清澤恵美子、星瑞枝、長谷川絵美の3人、男子は湯浅直樹ともう一人が出場予定です。

男子の「もう一人」は聞いている情報が確定しましたらお知らせいたしたいと思います。

また近日にも他のゼルデン雑感をアップします。今日はこのへんで。