アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

スポンサーリンク

ノイロイター初優勝 湯浅15位 キッツビュールSL

スポンサーリンク

f:id:shinfotograf:20181208171025j:plain

ノイロイターの初優勝は、まわりの誰もが祝福していました。

表彰式でカメラを構えていると、フェリックスが中央台に昇ると同時に赤いウエアの老人が近寄っていきました。

「おいおい、じゃまじゃま、誰だよ?」と思ったら、イビッツァパパ。大げさに握手をして初優勝を祝っていました。

2位のジュリアンも3位のラッツォーリも自分が初優勝したときのことを思い出しているかのように、フェリックスを祝福していました。

ワールドカップ選手を両親に持つ彼にとって、その重圧ははかりしれないものだったのではないでしょうか。ようやく解放された安堵もあるのではないかと思います。

おめでとう!フェリックス。

一方、2位に0.41と圧倒的優位にたちながら2本目コース中盤で失敗、地元オーストリアでの勝利を逃したヘルブスト。 

f:id:shinfotograf:20181208171108j:plain

ゴールではしばらく頭をかかえて動けませんでした。

これがアルペンスキーの勝者と敗者の姿。ヘルブストの火曜夜の滑りに注目です。

今日はプランガーも1本目前半で早々とコースアウト。オーストリアSLチームに暗雲がたちこめてきました。シュラトミングでどれだけ立て直してくるか、見物でもあります。

 

今朝、インスペクションを撮ろうとリフト乗り場に向かっていると、

「おはようございます」

と後ろから明るい声。湯浅でした。

「ヨーロッパカップ2連勝おめでとう」。私と湯浅はお互いグローブをとって握手。

「ブログのコメントは全部読んでいます」。私の最初の質問にそう答えてくれました。

そして、いっしょにリフトに乗って話をしました。

内容を詳しく書くことはできませんが、彼のブログに励ましや心配、そして「大好きです」と多くのコメントを入れているみなさんや、コメントを入れなくても黙って心の底から応援しているみなさんにお伝えします。

ご心配はいりません。

インスペクション中にも、湯浅のサービスマンである横田幸平さんと話をしました。彼の表情も明るかったです。

幸平さんによると、昨晩は12時ころにホテルに着き、2時30分ころまで湯浅は起きていたそうです。今朝も早かったので睡眠時間は数時間。

それでも彼の目は爛々と輝いていました。少なくとも私にはそう見えました。 

f:id:shinfotograf:20181208171200j:plain

2本目はゴールで天を仰いだ湯浅ですが、15位。ワールドカップスタンディングでも35位まであげてきました。

ポールをまたいでしまった明と賢太郎はヘルブスト同様、悔しい思いをしていると思います。また火曜、3人に期待しましょう。

日本チームで少し心配は大越龍之介と石井智也

ヨーロッパカップでも湯浅とのタイム差はかなりのもの。まだまだ経験が必要だとは思いますが、「光陰矢の如し」。

はやく「下から」つきあげて欲しいものです。 

f:id:shinfotograf:20181208171522j:plain

昨日のDHとあわせたコンビではイビッツァが昨年2位で今年は優勝。

おまけ?にいつもコース上で危なっかしいイビッツァパパではなく、このブログ初登場のイビッツァママとジュリアンママの2ショット。

f:id:shinfotograf:20181208171549j:plain

なぜこのショットを撮ることになったかは、後日の「雑感ブログ」でご報告します(笑)。

私は今晩、ゆっくり今日の余韻を味わって明日、シュラトミングに向かいます。

そして、私の「戦友」がぜひにと、私にプレゼントしてくれた湯浅直樹のコメントを以下に掲載させていただきます。この場をかりて「戦友」に、そして湯浅に心から感謝いたします。

湯浅直樹 キッツビューエル後のコメント

「俺は冗談抜きで本当に世界一になりたい。オリンピックに行けないからってくよくよしている場合じゃなかった。それを、本能で分かっていたのだと思う。すごく悲しかったし、責任は取らなければならないだろうと思った。続けさせてもらえるならそれにこしたことはない。オリンピックの出場権が取れなかった責任は重いけど、純粋に世界一になりたいという気持ちは揺るいだことがなかった。もしも続けられる環境がどこかにあるなら、それに食らい付いてでも絶対に世界一になる。今季のワールドカップも最低2試合、終わりまでベストを尽くすとブログで約束したので、最善を尽くして全力で戦っていく。闘志というか、戦う志はオリンピックに選ばれなかった一件でさらに強くなった。今日のノイロイターは目に焼き付いているし、自分も心の底からそうなりたいと思っている。俺の戦いはウェンゲンから始まったと思う。ソチ五輪に向けてじゃなくて、自分が世界一になれると信じてやっていくし、それが叶えばいい。俺、決めたんです。迷っているくらいなら絶対にレースに出ないって。誰に何を言われようと、迷うくらいなら終わらせてやろうと思って。迷って大切なものを失ってしまったから。それを取り戻そうなんて思わない。もっと大きなものを取りに。迷っていたら、また大切なものを失っちゃうかもしれない。もう二度とそれはしたくない。迷うくらいだったら滑らない。俺が滑っているということは、迷いがないということ。これからも滑り続けるし、二度と迷わない」 

f:id:shinfotograf:20181208171711j:plain

今日は日の丸がキッツビュールの空にひるがえりました。

明、賢太郎、湯浅、火曜も期待しています!!