アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ミカエラ・シフリン無冠に終わるか 北京五輪

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t.co昨日、アルペンスキーの個人競技がすべて終了しました。

最後の種目は女子アルペン複合。

スイスのミッシェル・ギジンが金、ウェンディ・ホルデナーが銀、イタリアのフェデリカ・ブリニョーネが銅でした。

滑降でギジンを0.44秒上回り、かつ先にSLをスタートしたミカエラ・シフリンでしたが、前半でコースアウト。

GS、SLに続いて今オリンピック3度目の途中棄権に終わりました。

私はコースを降りてきた彼女をみつけ、滑ってくる選手を横目に見ながら大量連写。

その目に涙はなく、何かを心に決めたようにしっかりと見開き、前を見つめていました。

彼女自身のツイッターでも「明日(今日)はチーム戦の練習に臨む」と前を向いたコメント。

明日のチーム戦のパラレルSL、シフリンにとって得意とは言えない種目ですが、アメリカのチームメイトと共に、その戦いが注目されます。

 

チーム戦を明日に控え、今日は北京に来て最初で最後の完全休養日。

朝から延慶(ヤンチン)のヒルトンでのんびりしています。

通常であれば外に散歩か買い物に出かけるところですが、今回はそれもできず。

ホテル周りにゲートを張られ、その「バブル」から出ることはできません。

「極寒」を覚悟して臨んだ今回のオリンピックですが、確かに数日凍える日はあったものの、思ったよりは寒さを凌げた3週間でした。

ボランティアの若者たちも4年前の平昌同様、慣れない英語で挨拶してくれ、気持ちのいい撮影環境を提供してくれました。

彼らといっしょにゴンドラに乗ることも何度もありましたが、乗り物に座って黙ると、皆スマホを取り出して睨めっこするのは日本と一緒。

ときおり、一生懸命、片言英語で話そうとしてくる女の子も、そのまま日本にいても自然だなと感じさせてくれました。

団体旅行で銀座を闊歩する中国人の姿を見ている昭和生まれのおっさんは、中国に対する固定概念を変えざるを得ないオリンピックとなりました。

毎朝1時間20分かけて、バスで通い続けた「国家高山滑雪中心」ナショナルアルペンスキーセンター。

1分50秒に満たない、短い方ではありますが急斜面主体の滑降コース、それとは別にGSコースや練習バーンもあり、硬い全面人工雪、掘れるというほどコースが荒れることはありません。

アルペンスキーの練習環境としては、アジアNO.1ではないかと思わせるほどではありますが、果たして「宴のあと」の「後利用」はどうなるのか、心配ではあります。

でも、もし中国が本気でアルペンスキー選手の強化に乗り出し、延慶をアルペンスキー専用のスキートレーニングセンターとするならば、練習環境の乏しい日本や韓国は、あっという間に抜かされてしまうのではないかと思わざるを得ないほどです。

加えて、カメラマン仲間のあいだでは、来季、今年の11月にW杯を延慶で開催する案も浮上という噂がまことしやかに流れています。

もしシーズン始めの北米シリーズと、隔年交互にでも継続開催となれば、それこそ中国に抜かされるのは時間の問題となるでしょう。

来季は10月のセルデン開幕戦の翌週にツェルマットでの高速系開幕戦が予定されていて、私自身もマッターホルンと選手を絡めて撮影できればと楽しみにしていますが、もうひとつ、新しいワールドカップ会場が誕生する可能性もありそうです。

 

帰国はもうすぐ。残念ながらこれで私のアルペンスキー今季撮影は終了。

オリンピック後のW杯は男子はガルミッシュSL2連戦、女子はクランモンタナ滑降2連戦から再開です!