アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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全日本選手権雑感2

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2日と3日は箱根駅伝を撮影しておりました。

往路も復路もゴールでは脚立に乗って撮っていたせいもあり、テレビにはチラチラと映ったようで、あちこちから「見たよー」と連絡もらいました。笑

新年明けましておめでとうございます。

2007年1月からスポーツナビプラスブログで始めたこのアルペンスキー撮影記も2019年の今年で13年目を迎えることができました。

途中、2017年10月のシーズン開幕前にスポナビブログ終了に伴い、このHatena Blogに移行しましたが、昨年中にようやく写真の引っ越し作業も完了しました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、昨年末の全日本選手権の雑感を。

冒頭の写真はGSで優勝し、SLも1本目2位に+0.86秒の大差をつけた安藤麻。

2本目は急斜面前半で片足通過反則。

特に怪我などがなかったのが幸いで、日本のエースが他を圧倒する滑りを見せてくれたのは男子の湯浅同様でした。

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優勝はナショナルチームの向川桜子。結局、2位石島瑶子(早稲田大学)に+2.49秒の大差をつけました。3位は新井真季子(日本保育サービスSC)。

女子は1本目72人中、32人が途中棄権でした。(約44%が途中棄権)

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男子は前述の通り、連覇の湯浅直樹に+1.62差で2位大越龍之介、3位は小山陽平で+1.69秒、4位19番ビブの若月隼太、5位松本逹希、6位18番ビブの笹川俊哉でした。

男子も女子同様、コースアウト続出で1本目130人出走中、72人が途中棄権。(55%で半分以上)

2本目ではナショナルチームの成田秀将、加藤聖五、そしてGSの覇者、石井智也もコースアウトしました。

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写真は1本目、ラップの湯浅直樹に+0.34秒、2位につけた小山陽平(日体大)。

毎年のことではありますが、今年も男女ともに、世界のトップシーンで戦う選手とそれ以外の選手との実力差が大きく露見したレースとなりました。

阿寒湖温泉は気温マイナス10℃以下、人工雪の氷結のコースで、横滑りをして撮影ポジションを決める際にもW杯と同様、非常に気を使いました。

逆に言えば、W杯でも今回の阿寒のコースよりはるかに軟らかい時がシーズンに1度や2度はあるくらいの、それほどの素晴らしい条件でレースは行われたと思います。

残念なのは、途中棄権の多さ。

雪面の硬さそのものに対応できないことや、難しいポールセットへの対応の遅れ、技術的バリエーションの少なさが原因なのでしょうか。

私見ではありますが、撮影していてファインダーに入ってくる速さなどの感覚をW杯選手と比較してみても、日本アルペンスキー界の選手層の薄さを如実に感じてしまうレースでした。

開催時期、コース条件などあまり比較対象にはならないと思いながら少し調べてみても、確かにラモン・ゼンハウゼンが優勝したスイス選手権やミヒャエル・マットが勝ったオーストリア選手権など、他の国のナショナルチャンピオンシップもSLのコースアウトは多いのですが、私の実感としては、「日本人選手は諦めるのが早すぎる」ということに尽きます。

失敗して大きく減速しても、もう少し粘りを見せて欲しい、なんとしてもゴールするという意欲を感じさせてほしいと、撮りながら感じました。

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写真はレース後、大越龍之介にアドバイスする皆川賢太郎競技本部長。

「最初にトーションを使ってからフレックスを使うこと」

「ねじってから、たわみを使うこと」 を中心に技術の基本的な話をしていました。

「ヒルシャーは最初にスキーのトーションを使ってねじってから滑っている、クリストッファーセンのように回していてはタイムが出ない」とも。

「スキーは雪面の反発を使うスポーツ」と語る競技本部長に龍之介も

「頭ではわかっているんですけど身体が動かない時がある」と素直に聞いていました。

全日本選手権を年末に設定し、日本一を決める大会として、そしてビックイベントへの出場権を賭けたレースとして「格上げ」し、選考の透明性も高め、「改革」を着々と実行する皆川賢太郎競技本部長。

今後もこれまで以上に国内の若い選手の指導方法の改革、技術的な方向性の舵取りを期待したいところです。

 

さて、年明けはアデルボーデンから撮影の予定ですが、明日5日はクロアチアのザグレブで女子SLが行われます!