湯浅の悔し涙を見たのは久しぶりでした。
2本目は滑らないかもしれないと思いながら、ゴールで彼を待っていましたが、会場の大画面に映る間もなくコースアウト。
かろうじて、ゴール近くでコース外に出る寸前のうつむく湯浅を撮ることができました。
湯浅と同い年、金メダルのアンドレ・ミューラー、そしておそらく本人もびっくりの銀メダル、ラモン・ゼンハウゼン、前回ソチ金メダルの兄には及ばなかったものの銅メダル、ミヒャエル・マットの表彰式を撮って、記者に囲まれる湯浅のもとにダッシュしました。
目にはうっすらと光るものが。そして色々な質問に丁寧に答えるうちにまた悔しさがこみあげてきたのでしょう、その目から涙がこぼれおちるのを右手でぬぐいました。
人前でこんな悔し涙を流すのは、高校2年の赤倉インターハイで1本目ラップを奪いながら四戸智也に逆転をくらい2位となったとき以来かもしれません。
そう、そのときも、いや子供のときから目指すは「世界一」。
その思いは一ミリも揺らぐことなく彼の心にあります。
それとはほど遠い今日の滑り。
記者の囲みが終わって私が直樹!と呼び、目が合った直後、彼は数秒、うつむいてしまいました。
それでも、私は彼の手を握り、「また4年、追いかけさせてもらうよ」と言いました。
世界一の湯浅の「追っかけ」を自称する私として、あえて言わせてもらえば、今日の湯浅の滑りはスタート直後から、早い段階から「あきらめのつく」、別人の滑りでした。
もう明日からは、しばらくゆっくり休んで、満身創痍の体のあちこちの療養にあてて欲しいと思います。
FISポイントのこともありますが、それよりもまずは痛めている箇所の治療が最優先。
ここは休む勇気も必要だと思います。
また日本のレースで好ポイントを取るところから始め、4年計画で北京オリンピックのシーズンにワールドカップの第一シードに入れるような「中長期計画」で38歳までのアルペンスキー人生を描いて欲しいと思います。
私も白状すれば、このオリンピックが始まってすぐは寒さと寝不足で年齢的な衰えを感じぜずにはいられませんでした。
村田兆治さんではないですが、やはり体力あっての気力だと痛感しましたので、帰国して数日休んだら、湯浅とともに「4年計画」で体力作りに励みたいと思っています。苦笑。
湯浅直樹は必ず甦る。
みなさんもそう信じて、また2018-19シーズンからの彼を応援しましょう!
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