3月11日、日本人には忘れられない日のレースで湯浅直樹は表彰台にあがることはできませんでした。
勝ったのはスウェーデンのアンドレ・ミューラー。実力者が今季初勝利、W-CUP通算3勝目をあげました。
そして2位にはクリスチャン・デビレ、3位にアレクシ・パンテュロー。
昨季後半にここクラニスカ・ゴラで台頭してきたパンテュローは、今年も相性のよいポドコーレンで好走を見せ、スター選手への階段を登り始めたと言えるでしょう。
1本目のインスペクションで、デビレがパンテュローに声をかけ握手していました。おそらく昨日の2位をおめでとうと言っていたのだと思いますが、この2人は再び2本目のゴールで握手することになりました。
デビレのナイスガイな一面が垣間みれた場面でした。
一方、ヒルシャーとイビッツァの種目別争いはヒルシャーが1本目の急斜面入り口で片反。今回は本人もはっきり自覚したのでしょう、その場でストップしました。
写真もばっちり。わたしを含め、10人ほどのカメラマンがばっちり撮っちゃいました。
イビッツァは16位で15ポイントを獲得し、2人の差は50ポイントとなりました。最終戦でヒルシャーが勝つとイビッツァは4位以上が必要なので、今日の滑りを見る限り、2位ヒルシャーのほうが有利かと私は思います。
しかし、今日勝ったミューラーも66ポイント差で射程圏内なのでイビッツァ、ヒルシャー、ミューラーの三つ巴の戦いが最終戦のフィナーレを盛り上げてくれそうです。
しかも場所はシュラトミング。1月の片反騒動で物議をかもした直後のレースでイビッツァは観客に大ブーイングを浴びただけに、最終戦会場の雰囲気も興味あるところです。
最終戦シュラトミングの最終日SLは、レース展開によっては異様な雰囲気が会場を支配するかもしれません。
日本期待の湯浅直樹も2本目の終盤にさしかかるところで片反。得意としているはずのクラニスカ・ゴラで2年連続でコースアウトとなってしまいました。
写真は朝のアップ時の湯浅直樹。
今日、SLスタンディング20位で最終戦へ2度目の出場が決まった湯浅ですが、私はシュラトミング、バンスコと連続5位になったときの勢いが少しなくなっているのが心配です。昨日話した限りでは、本人の表情もいまいち冴えないのが気にかかります。
右膝の裏も完治はしていないものの、滑りには影響ないと言う湯浅ですが、最終戦までの6日間で好調時の滑りを取り戻してほしいと思います。
全盛時のリズムを取り戻すことを意識したのかしないのか、今日は1本目のインスペクションで先頭で降りてきた明。
しかし、1本目45位で2本目に進めませんでした。震災後、復興支援に積極的に活動してきた彼にとって、今日という日はなんとしても2本目に残りたかったと思いますが、残念な結果でした。
明はこのあと、ヨーロッパカップ最終戦に出場予定です。3月18日、ワールドカップ最終戦と同じ日のクールマイヨールでのレース、清澤恵美子とともに全力アタックして欲しいと思います。
私はこれから最終戦の地、シュラトミングに向かいます。
ベアトとヒルシャーの総合争いや、引退を決めているキューシュが有終の美を飾れるか、そしてSLチャンピオンの行方は?
興味津々の話題はつきません。明日は女子DHトレーニングランです!