今朝のキッツビュールは相変わらず暖かく、小雨でした。
道中、キッツビュールから1時間ほどのツェル・アム・シーへ寄りました。
今日はヨーロッパカップのGSに大越龍之介と新賢範(しんまさのり)の2人が出場しましたが、ツェル・アム・シーのコースも昨日のキッツビュールに負けず劣らずやわらかく、だいぶ荒れました。
79番スタートの大越は1本目でコースアウト。89番スタートの新は2本目に残り、50位の成績を残しました。(冒頭の写真)
彼は1月のメリベルSLでは38位。ヨーロッパカップでは2回目の成績です。順位はまだまだ下位ですが、18歳の彼にとっては、ワールドカップ並みにレベルの高いレースで成績を残していくことは重要です。
彼とはゴールで挨拶だけしましたが、若者の活発さにあふれていました。これから期待したい選手の一人です。
優勝はアメリカのトミー・フォード。ワールドカップ選手ですが30番スタートでした。
他には、リシャールやファナラなどワールドカップ第一シードのGSスペシャリストも出場していました。ほぼワールドカップと変わらないレベルだということです。
明日はヨーロッパカップSLが行われ、大越龍之介、石井智也、武田竜、成田秀将、新賢範が出場します。
そして、シュラトミングに到着。毎年のことながら、美しいナイターコースです。
そして現地18時からのキャプテンミーティングでは、昨日のキッツビュールでの記者会見以来、ちょっと物議をかもしていることの解決がはかられました。
昨日の記者会見でイビッツァが「ヒルシャーはザグレブで片足通過反則をおかしており、優勝は無効だ」と主張。1415年の英仏闘争の例え話まで持ち出して「スポーツマンシップに劣る」と痛烈に批判しました。
それに対して今日のキャプテンミーティングでは、ギュンター・ヒュアラさんがテレビを持ち出し、何度もスローおよび拡大再生。
写真はジオ撮影です。
ヒルシャーとノイロイターの問題とされている箇所を各国コーチ全員で確認させ、かつ、詳細な説明で片足通過反則ではないと納得させました。
カメラの位置や撮影方法、映像を検証に使う理由まで丁寧に説明し、疑惑を払拭してみせました。
疑惑が沸いた時点で迅速にかつ、明確に対応したことはギュンター氏の素早い対応が評価されると私は思いました。(どこぞの島国の首相にもこうあってほしい苦笑)
しかし、カメラマンの私から言わせてもらえれば、足元を拡大すればするほど不鮮明な映像になり、「これで判定するのは、難しい」という印象を持ちました。今後、ハイスピードカメラの導入など、検討する余地はあるように思います。
そしてもう一つの事実、ヒルシャーはウェンゲン、キッツビュールともに片足通過反則をおかしながらゴールまで滑ってしまいました。
しかし、こちらの各メディアの興味はザグレブの優勝にクロアチアがケチをつけた云々の話題がほとんどで、ヒルシャーにペナルティーを与えるべきという論調は今のところ見当たりません。
通常、片反がわかった時点で停止し、その後のポールは滑ってはならないのですが、ヒルシャーは気がつかなかったのか、気がついていてもごまかせると思ったのか、少なくても2度連続で片反後にポール内滑走をしているのは動かせない事実です。
私はこのことに関してペナルティーを課すべきだと思います。ペナルティーは罰金と次回レースのスタート順の大幅な降格です。
キャプテンミーティング後の街中の公開ドローに先立って、イビッツァ、ヒルシャー、ノイロイターが今回の騒動の説明をそれぞれ行い、最後にはイビッツァとヒルシャーは握手して、「騒動」の収束がはかられました。
「場外乱闘?」は一日で終結か?
明日のレースは気持ちのよい2人の戦いを見たいものです。
このことに関しては私の大先輩でもあり、スキージャーナルで執筆されている田草川嘉雄さんも以下のコラムとフェイスブックで記事にされています。どうぞごらんください。
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2012012311073006.html