梅雨の真っ只中のはずの東京、猛暑です。
先週末から各県で本格的に高校野球の地区大会が始まりました。今年は例年にも増し、灼熱の太陽のもとでの撮影が多そうです。
私はもうすでにこんがりと黒く焼けてはおりますが、これから更に黒さに磨きがかかることでしょう。笑
暑さに負けないよう、高校生の若さに圧倒されないように今夏も頑張りたいと思います。
例年梅雨の時期に行われるスキー各店のフェアもほぼ終盤に差し掛かり、熱心なスキーヤーの皆様は今年も色々と道具を調達されたことと思います。
今冬も早い時期にまとまった降雪を期待して、祈りながら迎えましょう。
さて、今季、2017-18シーズンは2月9日から25日まで、韓国のピョンチャンで第23回冬季オリンピックが開催されます。
アジアでの世界レベルのビックイベント総合冬季大会となると、1998年の長野オリンピック以来、20年振りとなります。
韓国でのアルペンスキー認知度は日本よりも更に低いようではありますが、今でも長野でのヘルマン・マイヤーのDH大転倒からのSG、GS制覇の神がかった活躍が印象に残っているように、オリンピックならではの、感動的なドラマを期待してやみません。
その感動的なストーリーの中心に日本人選手がいてくれるのが我々の夢ではありますが、現段階で、SAJが定めた派遣推薦基準、
「16/17および17/18シーズンの世界選手権およびW杯で8位以内1回以上、または20位以内2回以上」
をクリアしているのは湯浅直樹ただ一人です。
前回の2014年ロシア、ソチオリンピックも佐々木明と湯浅直樹2人だけの出場で、前々回2010年バンクーバーオリンピックから2大会連続で女子の出場はかないませんでした。
昨季の成績は、女子のエース、長谷川絵美はW杯キリントンGS26位が唯一の順位で、若手の有望株、安藤麻はW杯での2本目進出はありませんでした。
そこから見ると、かなりの「ブレイクスルー」がなければ、今季W杯で20位以内を2回は相当厳しい状況です。もちろんそれは湯浅以外の男子選手にも言えることです。
SAJが定めた派遣推薦基準ですが、妥当という意見をお持ちのかたも当然いらっしゃるでしょう。アルペンだけ20位以内2回と他の競技より優遇されているというのもその理由になるのかもしれません。
一度、定めたことですので、この基準を変えるのはなかなか困難を極めることは重々承知の上ですが、オリンピックのコース上でGSとSLを撮影すると感じることがあります。
スタート順が50番くらいになると、W杯で撮ったことのある選手がいなくなり、60番を過ぎると、素人目にも滑りのレベルが極端に下がります。
更にそこから10人も滑るとそこから先はW杯では聞いたことのない国の選手が何十人と滑ることになるのがオリンピックです。
90番を超えると、SLのコース下部にいると、待てど暮らせど誰も来ないなんてこともあり、転ばすに完走しただけでゴールエリアは大拍手なんて光景も見れたりします。
もちろん、日本のアルペン競技はもっとレベルが高く、そのようなレベルの選手はオリンピック出場には値しないとみなさんも考えるでしょう。
ただ、滑りのおぼつかないW杯で聞いたことのない国、雪が降らない国の選手がなぜオリンピックのアルペンスキー競技に出場するのか、考えてみることは重要なことのように私は思います。
そして、そのような光景をコース上で見て率直に感じることは
「なぜ日本人選手は出場できないのか?」ということです。
競技レベルがオリンピックにふさわしくないと言うのではなく、国の代表を必ず一人出場させるという考え方も必要だと私は感じています。
2018年ピョンチャン、2020年東京、2022年北京とオリンピックは「冬夏冬3大会」連続でアジアで行われます。そして「無謀」とも言える2026年冬季オリンピック開催都市立候補を目指している札幌も可能性はゼロではありません。
日本を中心にアジア全体でスキーを盛り上げていく絶好の機会が今なのではないでしょうか。
それには手始めとして多くの日本人スキー選手のオリンピックでの活躍がその導火線となることは間違いないと思います。
日本で一番速い選手がお隣の国のオリンピックでどれだけの滑りを見せられるか?
このブログをご覧のみなさんも見てみたいと感じていらっしゃると思います。私はアルペン全競技、ダウンヒルもスーパーGも、そしてできればチーム戦も見てみたいと思っています。
多くのアルペンスキー関係者の尽力を陰ながら応援させていただきます。今冬の感動のオリンピックを期待して。
冒頭の写真は2014ソチオリンピック、湯浅の2本目コースアウトを報じる日刊スポーツ(2014年2月24日)。撮影は田中慎一郎