昨晩は飛行機で帰京後、自宅に戻りベッドに入るとおそらく1分とたたずに寝てしまいました。笑
女子SLは安藤麻が2位向川桜子に1.49秒もの大差で完勝。昨日、今日と行われているリエンツW-CUPをスキップして全日本選手権に出場した「目的」、社会人としての「仕事」は果たしました。
3位には前田知沙樹が入り、ナショナルチームの面目も保ちました。
気が早い話ではありますが、来年の全日本選手権の「ご褒美」は2021コルティナ世界選手権の出場権になると思います。
選考基準は例年通りとすれば、今季と来季のW-CUPで20位以内を2回クリアが条件となるでしょう。
安藤麻はすでにキリントンSL18位でその条件を1度クリアしており、今季中にもう一度20位以内に入ればおそらく世界選手権SL出場は「確定」となるはずです。
今回、他を圧倒して勝った勢いでGSでも20位の壁を破り、今季中に世界選手権の出場権を両種目で手中に収め、来年はW-CUPに集中してほしいと思います。
前日のGSでは20番スタートから3位表彰台に立った水谷美穂(角館高校)選手ですが、13番スタートのSLは1本目のコース中盤でコースアウト。
現場での各コーチ陣の評価も高かったので、今後の活躍も大いに期待できるでしょう。(前のブログで順位を間違えてすいませんでした。訂正済です)
また、「勝手な私的一押し」の横内選手はスタート直後にコースアウト、急斜面を横倒しでスライディングで降りてきました。
見た感じ、怪我はなさそうで何よりです。
今後も彼女の出場種目とともに、成績をチェックしていきたいと思います。
男子SLは1本目、自身のコーチ立花さんのセッティングで、小山陽平が2位の「誰も期待していないと思いますが密かに二冠を狙っていた」石井智也に2.02秒もの大差をつけトップに立ちました。
レース後の記者の取材に「ワールドカップで2秒というと大差に感じていましたが、実際、自分が2秒差でトップに立ってみると、たいした差はないなと感じました。緊張しないように自分のやることに(集中して)臨みました」
と、2本目もラップで2位智也に2.36秒つけての圧勝で全日本選手権初優勝を飾りました。
「はじめての全日本選手権の優勝なのでうれしいです」と素直な笑顔でした。
私の目からも、小山陽平ひとりだけ、動きがコンパクトでクイック、無駄のない滑らかな安定感を感じ、W-CUP選手のなかで滑っても引けをとらないほど、堂々とした滑りに見えました。
皆川賢太郎競技本部長以下、多くのスキー関係者の評価も高く、年明けザグレブからの活躍も大いに期待できると思います。
私はザグレブの次、マドンナ・ディ・カンピリオから撮影予定ですが、日本チームに「希望の陽(ひかり)」が灯ったように思います。来年早々、楽しみですね。
一方、全日本選手権SL連覇中の湯浅直樹でしたが、今季のレース初戦となったこの日は精細を欠いた滑りで1本目6位、2本合計でも+3.97秒の6位に終わりました。
今月初旬の中国FECに出場しなかったこと、そして彼にとっては平凡な成績に終わったのには理由があるのですが、言い訳をするのを良しとしない湯浅のこと、いずれ「その時」が来たらお話したいと思います。
これで全日本チームへの今季中の復帰も新潟湯沢苗場W-CUPの出場もなくなった湯浅直樹は年明けから国内数か所で練習に励み、2月の韓国FECでのFISポイントミニマムの15点獲得を狙います。
1月にまったく渡欧しないで国内にとどまるのは何年振りか調べてみましたが、2003年の1月以来17年ぶりのこと。このときは腰を痛め、1月は韓国FECのみ海外に出ていました。
表彰式が終わった阿寒湖畔スキー場の駐車場でアルファロメオに乗り込む湯浅を見つけ、立ち話をしましたが、「4秒差というこれ以上ないどん底から必ず巻き返します」と力強く約束してくれました。
2003-04シーズンから本格的にW-CUPを撮影し始めた私にとっても、湯浅直樹がまったく出場しない1月のワールドカップは初めてのこと。
「エース交代」の時期かもしれません。
それでも私はもうひとつの「陽(あかり)」がまだまだ燃え尽きるのは早いと小さくなった火種を再び烈火のごとく天高く燃え上がらせる日が来ることを信じて待ちたいと思います。
令和元年の今年もこのブログをご愛読いただき、ありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様、よいお年をお迎えください。