オーレからの帰路、オスタションまでの道路はすっかり雪がなくなり、様相が一変。ストックホルムも気温0℃で暖かく感じ、乗り継ぎ空港のミュンヘンを上空からみると、緑の野原が広がっていました。
2週間に渡る2019オーレ世界選手権も終わってみればあっという間でした。
開始前の3日はヨーロッパ全域で大雪が降り、空路を中心に交通網がマヒ。
多くの選手、チーム関係者がオーレに到着できない事態が発生したり、マイナス26度まで下がり手足凍りつくかと思えば、後半は暖かく湖の氷も溶け出したり、目まぐるしく天気が変わった大会でした。
冒頭の写真は金メダルのマルセル・ヒルシャー、2本目。
少し本来の寒さを取り戻しつつある大会最終日、再び氷を閉ざそうとする湖を眼下にゴール前の「プッシュ」に入るところです。
それにしても昨日の1本目の滑りは「完璧」と言えるものでした。
レース直後にFacebookで滑走全てを見ることができたのですが、私の見る限り、ミスは全くなし。
その疾走はスポーツの枠を超えて芸術的な高みを極めるとでも表現したいくらいでした。
その滑りの1枚は
Shinichiro Tanaka Photography - ホーム | Facebook
でご覧いただけます。
一国の金銀銅独占はSLでは初の快挙。
世界選手権ではありませんが、記憶に新しいのは2006トリノオリンピックでの、ライヒ、ヘルブスト、ショーンフェルダーの独占ですね。(その直下、4位が皆川賢太郎、そして7位が湯浅直樹でした)
写真はヒルシャーを担ぎ上げるマットとシュバーツ。
実はこれ、2人がマルセルを自発的に担いだのではなく、マルセルが、「こういう時はこうするんだよ」と先輩風?を吹かせて2人に声をかけて担いでもらったのでした。
この2人と6位のマヌエル・フェラーはこのあと、同じ飛行機でストックホルム空港まで移動したのですが、預け荷物を待つターンテーブルの前で、チーム関係者がどこやらから持ってきた500ml缶ビールで乾杯してプハーとやっていました。移動が慌ただしく、一息つく暇がなかったのでしょう、お互い、お疲れ様でした。笑
冒頭の写真を撮ろうとレース開始1時間前から陣取っていると、コーチがポジションにつく時間のかなり前にイビッツァ・コステリッチが登場。
彼は私の顔を覚えていてくれて、もう何年W杯撮ってるの?と話しかけてきてくれました。
しばし、彼の総合優勝を決めた時の昔話に花が咲いたあと、
「今季はクロアチアの若い選手が勢いありますね、イビッツアのコーチングなの?」と尋ねると、
「いやいや、私じゃないです、私はアドバイザーだから」と謙遜していました。
今季はコース上で彼を見ることが多くなりました。近い将来はイビッツァがクロアチアチームを率いることになるかもしれませんね。
イビッツァを含め、スーパースターは引退して月日が経過しても目立ちます。
ユーロスポーツの解説で来ていたボディ・ミラー。今大会でも存在感抜群でした。いや、私はそう感じました。笑
ちなみにボディのお隣はソルトレイクオリンピックの金メダリスト、ジャン・ピエール・ビダルさんです。
このお二人はコース上に立たれることはないのでしょうか。またスキーを履いてW杯のピステに立つ姿を見てみたいです。
今日はこの辺で。明日はストックホルムでシティーイベント、W杯男女パラレルSLが行われます!