アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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小雨のキッツビュール W-CUP DHトレーニングラン中止

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今朝7時に携帯にショートメールが届きました。

「気温が高いため3回目のトレーニングランは中止です」。

予想通りでした。笑

朝食のあとにもう一回寝て、昼前にプレスセンターへ。小雨が降ってきました。

体感でも気温が高く、明日のSGが開催できるか心配です。

一方、韓国のファーイースカップSLでは皆川賢太郎が優勝。2本合計で2位に2秒54つける圧勝でした。ポイントも10.13。

目下、賢太郎の「最大のライバル」である、ジュン・ドンヒュン選手はウェンゲンのSLに出場しました。おそらくキッツビュールにもエントリーしてくるでしょう。ファーイースカップ日本ラウンドでの2人の戦いが注目です。

問題は2位以下との2秒54差。

湯浅の次に続く選手がながらく待ち望まれていますが、現状ではとても心配な状況です。

 

 

今月11日付けでSAJが加盟団体と公式用品委員会あてに出した

「SAJ強化指定選手選考基準の改定について(通知)」と題する文書がSAJのHPで発表されています。

内容を読むと、冒頭に

「現在、スキー・スノーボード競技では、トリノバンクーバーとオリンピック2大会連続でメダルを獲得していない。それにともない、スキー業界も衰退の一途をたどっており、」とある。

オリンピック至上主義には大いに反対である。だが、悲しいかなそれが今の日本のスポーツ界の現実でもある。

ただ、2大会連続でメダルなしがスキー業界の衰退の原因かというとそれは大いに疑問でもある。

続けて、

「スポンサーの撤退、強化費の削減など、選手・コーチをとりまく環境は厳しい。そのため、2014年のソチオリンピックでは「絶対に」メダルを獲得しなければならない。もし獲得できなければスキー界全体に明日はない。」

とくる。

そしてそのような「前文」の最後には「ソチオリンピックに向けて、SAJが果たすべき役割は非常に大きい。」と結ばれている。

確かにSAJが果たすべき役割は非常に大きい。だが文章全体に、すべては「選手の好成績が解決する」かのような雰囲気が漂うのを感じるのは私だけだろうか?

すべてを選手任せにしていないだろうか?

アルペンスキーに限って言えば、SAJは地道な育成というより、数年に一度の「天才選手の出現」とその選手をとりまく「スキーメーカー各社の努力」に頼り切ってきたところはないだろうか?

私はまだまだ、現場の選手を見続けて10年ちょっとである。意見を言えるような立場ではないのは十分承知している。

しかし、この文の後に続く改定された新たな選考条件を見ると、アルペンスキー男子、女子ともに、現状では湯浅直樹佐々木明以外の選手はクリアできる条件ではないと私は思う。

つまり、2人が引退すると、アルペンスキーの強化指定選手はゼロとなってしまう可能性が非常に高い。

「世界基準」としているその改定基準は、至極まっとうだとは思う。例えばA指定は2レースに1回は8位以上に入り、かつ第一シードにいる選手でなければならない。

普通に考えれば、それくらいの成績をワールドカップで収めていないといくらメダルが目標と言っても現実味がない。

しかし、新たなA指定の基準はかつて、第一シードに定着し、長野オリンピックでメダルを期待された全盛期の木村公宣選手でも、1シーズンしかクリアできない。(1996-97シーズンで検証)

そのような基準で果たして現実に即しているのだろうか?

今回の改定はソチまでで、そのうちピョンチャンオリンピックに向けての育成プロジェクトでもつくるのだろうか?

実際、ソチに向けて女子ジュニアを強化しているはずであるが、ソチまであと2年。どの程度の強化が進んでいるのだろう?

具体的な技術指導は?トレーニングは?練習環境の整備は?試合経験を積ませることは?

どれだけのことをSAJ主導でできているのだろうか?

そろそろ、オリンピック区切りのお題目プロジェクトはやめてはいかがだろうか?

根本からSAJ主体で行う選手育成のシステムを考え直す必要があると私は考える。

もちろん、こんなことは何年も、いや、何十年も前から言われていたことではあるが、しつこく言い続けるべきだろう。

口を開けば「金がない」と言うが、果たしてそのお金を集める努力をしているのであろうか?

このブログの読者の皆様はどうお考えでしょうか?