バンスコに着きました。
ミュンヘンから空路2時間、ブルガリアの首都、ソフィア空港には大会組織委員会手配のAudi A8のお出迎え。
もちろん運転手付きで、気持ちのいい本革の足下広い後部座席で、会社の重役よろしくふんぞり返って、悠々とバンスコまで2時間のドライブになるはずでした。
しかし、その優雅な気分もソフィアの町中をA8が走りだした途端、じっと窓外に視線をこらして複雑な気持ちになりました。
ソフィアの町の8割方はくずれかけた壁をもつ古いアパート群。もちろん欧米大企業の新しいビルはあるものの、それは2割ほど。
私はヨーロッパでアルペンスキーの撮影をするようになって、今回2度目のストリートチルドレンとの遭遇でした。
交差点の信号待ちをしている車のフロントガラスを拭いて小銭をもらうのが、彼らの目的です。
薄着に真っ黒な顔。
さすがにA8には寄り付きませんでしたが、オリンピックを数年後に控えたトリノの町でうけた小さな衝撃が、ソフィアでもよみがえりました。
ウィキペディアによるとブルガリアの2010年GDPは青森県とほぼ同じで、政府は未だ高い失業率と低い生活水準にあえいでいるそうです。
バンスコの町も荒れた空き地と高級コンドミニアムが隣合わせ。シュールです。
冒頭の写真はソフィア市内。バンスコスキー場の新品の看板が古びた町中で浮いていました。下の写真は「8割方」の建物。ワールドカップ会場に最も近い首都の景色としては少し複雑です。